声楽編③声楽家の脚の使い方


プロの修行中のテノール歌手の
お客様に携わる機会を頂き


ここ9か月くらい

パフォーマンスアップ
お手伝いさせて頂いております


子供の頃に
強打した股関節が原因で
骨盤がゆがみ


身体の左右差が気になるから
診てほしいというのが彼との
最初の出会いでした


一目見た瞬間から
下腹部に力が入りにくく
立っているだけで肩の力が
抜けない様子

 

脱力ができないと

背骨を使いこなすことはできないので

歌うことの最大パフォーマンスを

発揮できません

 

*脱力についてはとっても大切ですが

とても難しいことなので

後日ブログにあげます☆


下半身で踏ん張れる力を変えれば
絶対声の質が変わると思い


いきなり初診の治療をする前に
歌ってもらいました
動画もとらせてもらっちゃいました


そしてあえて、股関節を強打して
使えなくなっている筋肉に
ポイントをしぼり


声の変化を体験してもらいました


それから彼との
「声の質を上げる」セッションが
始まりました~


毎回楽しませてもらってます!
ありがとうございます!


ある程度、股関節が治って
患部に抑制された
状態が改善した後


さらに高みを目指す
彼から伝えられる
T先生の抽象的な表現の教え


これがたまらなく面白い!


たとえば~


「副鼻腔を意識して、声を遠くに飛ばす」
「眉間から声が出る感じ」
「軟口蓋を上から更に上に意識」
「肉で歌うな、骨で歌え」
「声帯のくっついている面積を増やして息漏れの音をなくせ」


どうやって作るんだろ~☆


身体マニアには
ホントたまりません~
謎解きみたいで☆


これはこうなんじゃないの?
彼と議論しながら
勝手に医学的に解釈し施術☆


これを一つ一つクリアしていくのが
楽しいんですわ~


これらの抽象的な教えも
『声楽家の脚の使い方』ができないと
実現できません~


しっかり踏めるようになったときの
地面や空間に反響する彼の声のレベルが
グンと上がった瞬間がありました


T先生の体も上半身はふわふわなのに
下半身はがっちり!


ではまたこの解釈を
専門的に説明してみますね


前回お話した


上方に押し上げられた内臓に
ぶつかる横隔膜が
肋骨を最大限広げて作った


「胸郭」という胸の空間


これを風船に例えると


いかにこの風船に大小様々な
「圧力」をかけられるかで
ボリュームや音域の幅
声の質などが変わってくると思うんです


そして私が提唱している
「せぼねのちから」も
脚の力が使えないと
レベルアップしていきません


「せぼねのちから」は
背骨を長く使えれば使えるほど
強くなっていきます


ヨガなどでも
「足で地面を押す」という
表現が出てきます


昔これを初めて聞いたとき
意味がわかりませんでした
どうやってすでに着地ている足で
さらに地面を踏むんだろう?


その答えは
「上方に背骨を伸ばす」


背骨とくに頸椎を
上方に伸ばしながら
肩甲骨が下げられれば


地面についている
脚はさらに地面を押します


背骨が伸ばせれば伸ばせるほど
腹筋で押し上げられた
胸腔の風船により強い圧力が
かけられます


背骨の間から骨格筋の
神経が出ているので


背骨を長く使えれば

背骨の間から出ている電線(神経)の

信号が強くなり

より多くの骨格筋を使えますし


背骨が短くなればなるほど

背骨の間から出ている電線が圧迫され

信号が弱くなり

骨格筋の使える量は減ります

 

頸椎からは腕を動かす神経

胸椎からは肋骨やわき腹を動かす神経

腰椎からは脚を動かす神経

がでております


アスリートは背骨を長く使えるので
身体能力は高く、バラエティに富んだ動きができます


背骨が曲がったおじいちゃんは
背骨が短くなっている(身長も低くなっている)
身体能力は低く、動作の方向が限られてきます


『声楽家の脚の使い方』


胸腔の風船にかけられる物理的な力、
神経を開いてより多くの骨格筋を使う能力


両者を引き出すのに大きく関わる
脚の使い方!
とても重要ですよね☆


ではまた次回☆

2019年02月23日